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1979年8月 ロンドンにやってきた 3

飛行機が止まると、前部のドアが開き、昔の将校が着ていたような軍服に身を包んだ、今思い返すと空港の移民局の人間が2-3人中に入ってきて、何か言うと(この時点、私は英語はまったくだめ、日本語以外は聴いたことが無い、という状況だった)前のほうからPASSPORTらしきものを回収し始めた。
この時、状況が全然掴めていない私は、一応PASSPORTをカバンから出して、手に持ってはいるものの、彼らに渡してよいものかどうか迷っていたが、私のところに来るまでは、乗客全員が渡しているみたいなのと、彼らの軍服の威圧感もあり、あっさり手渡してしまった。
さあ。こうなると情報を掴まなくてはならない。
私は、幸い近くにいた日本人にどうなっているのかをきいてみたところ、ここは北京だということと、飛行機はこの北京に一時間止まるだけらしいと言うことが判明。
PASSPORTは出発の時に返すということらしい。
機内から、ぞろぞろ乗客が降り始めたので自分もその後についた。
少し安心した私は空港の外を見てみたくなり、あまり人がいない飛行場の建物を出口まで歩いていった。
空港の出口は駐車場もなく、ただ単に一本の真っ直ぐな並木道が、建物のすぐ前から伸びていて、靄が出ているせいもあり、道の途中から先は見えない。
その道の外側は、野原で広そうに見えるがこれも靄で途中までしか見えない。
なんか初めての中国という思いもあり、私の目には神秘的に映った記憶がある。
一時間後、飛行機は北京空港を後にした。
続く




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